トロイの木馬@トロイ遺跡/チャナッカレ/トルコ
1996年、ヘルシンキから、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアと東欧を縦断して、トルコのイスタンブールへ到着する。
昔日本人宿だった「モーラ」が中級のホテルになっていたが、マネージャーと話をして、特別に安く泊まった。
そして、そのころ日本人が集まっていた「アヤソフィア」の旅行者諸君と毎晩飲んでいた。
陸路でギリシアへ向かう前に、アヤソフィアにいた旅行者がトロイへ行った話をする。
僕は旅先でどこかの話を聞くことは、神の定めだと思っている。
トロイの遺跡はほとんど見るものがないという噂は聞いていたが、世界旅行定理では「わざわざ行ってみたらつまらなかった」というのが最高のネタだからね。
バスターミナルへ行って、チャナッカレ行きの、「TRUVA」というバス会社のバスに乗る。
トロイの遺跡はチャナッカレという町の郊外にあるようなんだよ。
大型バスは半分ほどの乗客を乗せて、10時40分出発。
切符は車内で買って、90万トルコリラ。
この時期、1万トルコリラが12円のレートなので、約千円ということになる。
車内ではオレンジジュースとクッキーのサービスがあった。
午後3時30分、ヨーロッパ側のフェリー乗り場へ到着。
午後4時7分、フェリーはチャナッカレ海峡を横断して、アジア側へと出発する。

チャナッカレ海峡でフェリーとすれ違うので写真を取った。
バスが渡るのはチャナッカレ海峡。
イスタンブールと対岸のウシクダラの間が、マルマラ海の東の出口ボスボラス海峡だが、西側の出口がチャナッカレ海峡だ。
同じ形のフェリーが対岸からやってきて、すれ違うので写真を取ってみた。
対岸へ到着したところがチャナッカレの町だ。
OTOGAR(バスターミナル)で降りるのが午後4時30分。
イスタンブールから、6時間程度かかったわけだ。
バスターミナルの時刻表を確かめると、チャナッカレからイスタンブールへは午前7時から一時間に1本バスがある。
町の観光案内所で町の地図をもらい、安宿の場所、トロイ遺跡へ行く方法を聞く。
トロイ遺跡へは、タクシー、ミニバス、ツアーなどで行くことができるらしい。
歩いて「KERVANSARAY Hotel」の9号室に決める。
3人部屋を1人で占領して、50万トルコリラ、つまり約600円。
トロイの遺跡へ行く方法を確認しに町へ出る。
まず、ミニバス乗り場をチェックする。
タクシーを借り切ると、3百万トルコリラ(3600円)だそうだ。
これは高すぎるね。
ANA−TURという旅行会社を見つけたので相談する。
明日トロイ遺跡ツアーがあるそうだ。
料金は70万トルコリラ、つまり840円。
朝8時45分に出発して、遺跡に2時間滞在して、11時30分に戻ってくる。
これだと、戻ってすぐにイスタンブール行きのバスに乗れて、到着が夕方だからちょうどいい。
すぐに申し込む。
ホテルの斜め前のレストランで夕食を取ると、とても量が多くて、食べきれないほどだ。
料金は46万リラなのだが、百万リラ札を出すと、お釣りを55万リラくれた。
一万リラ(12円)負けてくれたわけだ。
こういうところへ来ると、トルコはいいなーと思うよ。
イスタンブールは雰囲気が悪くなってきているが、まだちょっと地方へ行くと、気持ちのいいたびができるだろうね。
翌朝ツアーに参加する。
同じバスに乗るのは、オーストラリア人がたくさんいて、ほとんど満席だ。
バスは9時出発で9時40分にはトロイ遺跡のゲートをくぐる。
入場料はツアー代に含まれている。
英語のツアーガイドが説明してくれる。
このおじさんは、なかなか説明上手で、冗談を入れながら人を飽きさせない。
逆に言うと、このガイドさんがいなければ、トロイの遺跡はただ地面を掘り繰り返した跡があるだけで、見るところもない。
バスの隣の席になったオーストラリア人の田舎っぽい若者と話をした。
イギリスで働いていて、イスタンブールの往復航空券が190ポンドだったと説明してくれたよ。
トロイ遺跡前の駐車場にトロイの木馬があった。
がもちろん最近適当にでっち上げられたもので、特に感慨もないが、一応写真を取る。
いつもならば、自分を入れて誰かに写真を取ってもらうのだが、あまりに馬鹿っぽい木馬なので、その気も起きない。
ただ、あとで考えてみると、トロイ遺跡では、このガッカリするような木馬が話のネタなんだ。
ということは、自分を入れて写真を取っておくのだったと、後悔したよ。
トロイの遺跡へまた行くなんて、どんなことがあっても、まず絶対にないからね。
ツアーバスがチャナッカレの町へ戻ったのが、午前11時45分。
イスタンブール行きのバスはすでに出発していたが、フェリー待ちをしていたので、追いかけて乗り込んだ。
イスタンブール到着が午後5時40分。
地下鉄で安宿街へ戻り、アヤソフィアへ顔を出す。
ちょっと親しく話をしていた美人女子大生さんと2人で、「CAN(ジャン)レストラン」へ行って、人生相談、恋愛相談に乗る。
【写真】旅行者ならば一度は見てみたいトロイの木馬
【旅行哲学】つまらないといわれているトロイの遺跡へ行っておくと、トロイの遺跡の悪口が言える。
