赤松啓介の著作
「赤松啓介」は、1909年生まれ。
2000年3月26日、死亡。

在野の民俗学者として、特に民衆の性の実態を調査研究した。
柳田国男の民俗学は、表層的なもので、赤松啓介の民俗学こそ、民衆の真実を描き出している。

特に、民衆の性生活、農村における夜這い、乱交、についての研究は驚くべきものだ。
『夜這いの性愛論』
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20070521#p1

戦前の農村では夜這いは普通に行われていた。
男女とも100人と関係を持つことは普通だった。
中には千人切りというのも珍しくなかった。
『夜這いの民俗学』
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20070525#p2

村落共同体の中で、セックスがコントロールされていたということ。
明治時代になって、若い女は都会に出て、仕事を持つようになって、村にも酌婦がくるようになった。

これは、明治政府の税収がほとんど酒税だったのが理由。

興味深いのが、市バスなどでも昔は女車掌が乗っていた。
運転手は妻帯者で、女車掌は若い女だったが、3ヶ月もすると出来てしまって、おなかを大きくしたという話。

いまでも観光バスの運転手と若い女性ガイドは、すぐに関係ができるというのが、業界の裏常識なんだよね。

現在も農村地帯で、嫁不足で、フィリピンや中国人妻を呼んでいるが、昔の場合は、セックスは未亡人や夜這いで解消していたわけだ。

また、夜這いによって、戦争で出征した兵士の妻も、性的欲求が解消されたのね。

それを演繹すれば、日本企業なんかも、若いOLの取りあいがあったりするよ。
社内恋愛で結婚する場合も、男も女も他の異性と社内でつきあっているから、日本の企業というのは、村落共同体の若衆宿の現代版といえるかもしれない。

この本は、短くて、とても読みやすいです。
『宗教と性の民俗学』赤松啓介

日本人の民間信仰は、蛇を拝んだり、石を拝んだり、アニミズムの色を残した、なんでもありだった。
それを国家神道として、靖国などにまとめていった。

でも、日本人の本来の信仰は村の鎮守の神様のような、素朴なものにあった。

だから、大東亜戦争で「靖国であおう!」と兵士が言ったところで、それは、兵士の本来の姿ではないわけだね。
兵士の心にあったのは、村落共同体の神なのだから。