莫高窟@敦煌/中国

【莫高窟の入り口に有名人の肖像画がある】

【莫高窟の入り口、後ろに「莫高窟」という文字が見える】
世界旅行者はチベットからゴルムドへ、標高5000mのパミール高原を越えて、ゴルムドへとたどりついた。
ゴルムドからは、バスに乗って敦煌へ。
ここからシルクロードの旅が始まる。
敦煌といえば、莫高窟!
バックパッカーが多く集まる飛天賓館で「敦煌一日ツアー」を申し込んで、ホテル前からツアーに参加する。
便利だったのは、敦煌一日ツアーとは言っても、それが午前と午後のコースに分かれていて、別々に参加できるところ。
僕は最初の日に午後の半日コース、翌日に午前の半日コースに参加した。
一日で全部まわるのは疲れるので、これがオススメです♪
しかし、莫高窟見学ツアーは、日本人旅行者から金をぼったくる恐ろしい仕組みになっていた。
日本では井上靖の小説「敦煌」や、NHKのシルクロードを始めとする海外レポートで敦煌の名前を知らない人はいない。
敦煌の郊外には「敦煌故城」もあるが、これは日本映画「敦煌」を撮った時のセットだとか。
というわけで、日本人は必ず敦煌を訪問し、そこで「莫高窟」を見るわけだ。
莫高窟とは敦煌郊外の断崖の壁面にたくさんの穴ポコ(部屋)があって、その中に壁画や仏像などがあるというだけ。
普通の観光客が見ても、「ふーん」「へー」としか思わない。
僕たちのようなただの観光客にとっては、ただ、「莫高窟へ行った」というだけが問題だ。
莫高窟の入場料を払うと、適当にあちこち見学できる(入り口でカメラなどは預けるので莫高窟の内部写真は撮れないよ)。
ところが、お金に厳しい中国人は「もっと儲かる方法はないか」というので、「特別窟」というものを作って、それを見るのに特別料金を取り出したようだ。
敦煌故城で知り合った日本人2人と、いっしょに莫高窟へ行き、他の日本人団体に放り込まれて、日本語ガイドさんのあとを付いて、ぞろぞろと歩く。
すると、「次は57番特別窟でーす。この間NHKで放送されましたよ!」と期待を持たせられて狭い部屋に入る。
ただ、人が多くて、ま、日本のデパート主催の展覧会みたいな雰囲気だ。
なにがどこにあって、どれが貴重なものかさっぱりわからない。
僕ら3人がボーっと眺めていると、「この中に特別窟料金を払ってない人が3人います!」と注意されて、追い出されてしまった。
何しろこの特別窟の見学料金が一つで60元(9百円)から200元(3千円)もする。

見学時間はホンの数分だから、完全なボッタクリだ!
とはいっても、わざわざ敦煌までやってきた高年齢の参加者は、せっかくだからと、言われるままに次々に特別窟を見て、何万円も使う人も多いようだ。
(最近では特別窟6個で850元!というモノも出ているとか。セット割引かな…)


【莫高窟の外側からの写真/フェンスの外からなら写真が取れる】

気分を悪くして、日本人ツアーから離れて、適当にうろうろしたら、無料で見学できる巨大大仏を発見したので、満足だ。
外に出て、上品な中国美人のいる土産物屋を冷やかしたりして時間を潰したよ。
まあ、入場料だけで莫高窟をいくつか見られるのだから、一般人は特別窟なんかに手を出さない方がいいだろうね。
さて、敦煌見物を終えて、次は流れとして、トルファンへ移動することになる。
敦煌の鉄道駅はバスで2時間ほど移動した柳園で、ここは観光客の多いルートなので、柳園始発でトルファンへ、夜行の特別観光列車も走っている。
敦煌の旅行代理店に聞くと、「柳園始発だから2日前でも切符は大丈夫!」と確約する。
ところが、前日に、突然、切符が取れないという話で返金された(涙)。
僕は翌朝さっそく、バスで柳園駅へ行って、その窓口で、ノートに漢字で書いて、ニコニコしながら切符を買おうとした。
すると、一枚だけ軟臥の切符がぽろんと出てきた!
神は世界旅行者を、常に守っているね♪
で、この一枚だけ残っていた寝台車というのが、日本からの高校教師のツアーの残りの一枚だったので、学校の先生や中国人通訳ガイドさんと僕との四人で、ビールを飲みながら、楽しくお話しましたとさ。
翌朝早く、トルファンへ到着したら、日本語ペラペラの怪しげな男に捕まって、タクシーへ連れ込まれた。
でもその話はまた、別の機会にね。
【写真】莫高窟前に立つ世界旅行者2つ
【旅行哲学】普通の旅行者が莫高窟の特別窟を見ても豚に真珠である。
【旅行哲学】取れない切符もトライすれば取れるもの(世界旅行者の場合はね)
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20040803