バーミヤン石窟@アフガニスタン
世界旅行者はアフガニスタンへ行ったことがない。
しかし、アフガニスタンには詳しい。

実は、海外旅行の知識が豊富な人は、絶対にアフガニスタンを知っている。
というのは、アフガニスタンに共産政権が成立(そしてソ連が侵攻する)する前は、アフガニスタンを通過するのが、アジア横断のメインルートだったからね。

そのころインドからトルコまで、「アジアハイウェイ」が通っていた。
アジアハイウェイのメインルート1号線は、パキスタンのペシャワールから、カイバル峠を越えて、カブール、カンダハル、ヘラート、イランへ入って、マシュハド、テヘラン、タブリーズと続いていた。

昔のバックパッカーは、このルートを通ってたわけだ。
だから、現在のような(また世界旅行者が1999年に通過したように)パキスタンのクエッタからタフタン国境を通って、ミールジャーべ、ザヒダン、ケルマンとイランへ入るのは、アジアハイウェイ2号線になる。
本当のメインのアジア横断ルートではない。

そのころカブールは、全世界からのバックパッカー、ヒッピーが集まる、とても興味深いところだった。

ちなみに世界遺産のバーミヤンの石窟は、カブールから車で12〜13時間程度の所にある。

2005年夏、広島県の中学校教諭男女2人が、パキスタンのクエッタからカンダハルへと入り、行方不明になった。

世界旅行者はイラクで殺害された香田証生くんの旅を、日本でただ1人擁護する立場だ。
世界旅行者の最新刊「世界冷や汗ひとり旅」の後書きにはっきりと書いてある。

しかし、この男女2人のアフガニスタン旅行は擁護しない。

というのは、「2人だから」だね。
つまり、どちらかが(おそらくは男性が)もう1人をアフガニスタンへ連れて行ったわけだ。

男性が、何らかの理由で、単なる好奇心でも、危険だといわれている国に1人で突入することは、有り得る。
でも、1人でならば絶対にアフガニスタンへ行かなかっただろう女性を連れて、結果、2人とも殺害されたことは、絶対に言い訳ができない。

ここでも世界旅行者の主張「海外個人旅行」、つまり「海外旅行は個人で行け」という考え方が示されたわけだ。

世の中には、「海外個人旅行者の見栄張り勝負」といわれるものが存在する。
海外個人旅行者が出会うと、「どちらの立場が上か」と勝負をする。

世界旅行者なんかになると、旅行経験も豊富だし、ネタも山ほど持ってるし、そのネタも奥深いので、一度も負けたことがない。
百戦百勝の常勝旅行者、それが世界旅行者先生様なんだよ。

ま、「世界旅行者が誰にも負けない日本で一番の世界旅行者である」こと、それがインターネットの、旅行経験のほとんどない、知的レベルの低い、旅行オタク諸君から憎まれている理由なんだけどね(笑)。

ところが、たいした旅行経験もないのに見栄張り勝負に勝ちたいと考える旅行初心者の中には、「人の行かない危険なところへ行って自慢したい」と考えちゃう人たちがいるんだよ(涙)。

で、世間で一般に言われているほど、世の中は危険ではないものだ。
だって内戦の国でも、テロが頻発している国でも、そこには普通の人の普通の生活があるんだから。

また、問題がある地域は限られているのが普通だからね。
だから、一般に危険だと言われている国へ旅をしても、ほとんどは無事に帰ってくる。
そして「実際は危険じゃないんだよ」という話になる。

でも、それは違うんだよ。
危険な国は確かに危険なんだ。

そこをどう見分けるか、それが問題だ。
しかし、世界旅行者は言おう、「危険だといわれている国は本当に危険な可能性が多いから行かない方がいい」ってね。
参考:
ところで、パキスタンとアフガニスタン国教のトライバルテリトリー(部族支配地域)は、国家権力も及ばない地域だ。
もともと気が荒くて、古代から隊商を襲って、通行料を取って生活していた。
またほとんどが小銃で武装していて、兵器を自作している。
胡桃沢耕史の小説集「旅人よ」のなかの、「父ちゃんバイク」でも、「カイバル峠をバイクで通るときに、子供たちが石を投げるの危険だ」という表現があります。

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050902it11.htm
不明の2邦人か、アフガン南部で男女の遺体発見
 【イスラマバード=平本秀樹】アフガニスタン南部カンダハル州知事は2日、ロイター通信に対し、同州内で男女2人の遺体が見付かったことを明らかにした。

 先月初めから行方不明になっている日本人男女の可能性があり、在アフガニスタン日本大使館は情報の確認を急いでいる。

 同知事によると、2人の遺体は、カンダハル市と首都カブールを結ぶ幹線道路から約7キロ離れた砂漠の中の用水路で発見され、銃で撃たれた跡があったという。

 パキスタンとアフガニスタンの国境地帯では、広島県尾道市の市立中学校教諭、福正純さん(44)と長谷川忍さん(30)が先月8日、パキスタン南西部のチャマンからアフガニスタンに出国したのを最後に行方が分からなくなっていた。

 これまでのアフガニスタン政府の捜査では、同国側の国境検問所には2人の入国記録はなく、カンダハル市内の宿に宿泊した記録もなかったことから、カンダハル州内に入った直後に何らかの犯罪に巻き込まれた恐れが強まっていた。

(2005年9月2日16時13分 読売新聞)


参考:「間違いだらけの海外個人旅行」
http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/book/treasure.htm#mokuji

「外務省の危険情報は公務員の作文」
http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/ideas/pensee9.htm#2001/11/06