CAN(ジャン)レストラン@スルタンアフメット地区/イスタンブール/トルコ
イスタンブールのスルタンアフメット地区、ま、ここはイスタンブールの旧市街のど真ん中で、アヤソフィアやブルーモスクなどの歴史的建造物があるところで、もちろん世界遺産になっていると思う。
この電車通りに面して「CAN(ジャン)レストラン」がある(あった)。
ほかにもレストランはあるのだが、ちょっとほんのわずが高級だったり、長居できにくい雰囲気だったりで、このレストランで僕は毎日夕食を取っていた。
すると、ちらほらと日本人旅行者がいる。
海外で日本人旅行者を見れば、僕は必ず声をかけることにしている。
ま、一応は旅行情報を得るためという建前はあるが、日本人旅行者は旅行情報そのものは、大して期待できない。
だって、日本人旅行者は同じ本を読んで、同じインターネットのサイトで情報を入手して、同じルートで旅をしているだけなのだからね。
ただ、僕は旅行予定を立てないので、誰かに出会って、その人が「どこどこから来ました」と言ったら、それを神のお告げとみなして、その場所へいくことにしているのだ。
それに、まあ特に、イスタンブールにいる旅行者は、アジア横断してきたやつ、エジプトから中東を上ってきたやつ、東欧を下ってきたやつ、もちろん直接やってきてこれからどこへ行こうか迷っているやつなど、いろいろ旅のネタは持っているんだ。
こういうところで粘っていると、なかなか興味深い人に出会える。
(これはこの店の中ではないんだけれども)この店を出たばかりのちょっとした広場で、ボーっとしていたら、日本人の若い女の子に声をかけられて、「ベリーダンスをいっしょに見に行かない?」と誘われた。
イスタンブールで声をかけてくる人間は、もちろん絨毯屋の手先か、詐欺師に決まっている。
でもまあ、その女の子に適当に話をあわせて、ホテル(このときはエリットホテルに泊まってたけどね)を教えたら、その夕方に、本当に、わざわざほかの日本人をつれて誘いにやってきた。
あるユースホステルでベリーダンスをやっているのだそうだ。
これは、イスタンブールでは珍しく本当の話だったので、ちょっとびっくりしたけどさ。
その子が泊まっていたのが、そのころ日本人旅行者に人気だった「アヤソフィア」だったので、そこへ入り浸って、いろんな人と話を盛り上げていたこともあったな。
そういう人たちとも、ジャンレストランで夕食を取って盛り上がって、すると、そこへ他の日本人旅行者がやってくると、次々と声をかけて、人数を増やしていって、ジャンレストランを乗っ取ったみたいな形になったこともあった。
そうそう、アヤソフィアに古い「トーマスクック時刻表」があったので、それをいただいて、イタリアからフランスまでの旅行に使ったものだ。
ま、イスタンブールには、いろんな旅行者、僕の初恋、などの思い出があるんで、それはまた別の機会にね。
【写真】旅人が集まっていたジャンレストラン
【旅行哲学】うそだらけのイスタンブールにも、たまには本当の話がある。