キャピタル(Capitol)ホテルの発音問題@プノンペン/カンボジア

カンボジアを旅した人、いや東南アジアを個人旅行した人は誰でもその名前を知っている「Capitol Guest House」。
一般的には、キャピタルホテルと読んでるんじゃないかな。

Capitol Guest House → http://www.bigpond.com.kh/users/capitol/

ところで、ちょっと注意して欲しいのが、このゲストハウスの名前はCapitolであって、Capitalではない。

しかし、英語の本来の発音では、辞書をチェックすればわかるが、capitolもcapitalも同じなんだよ(これ、なにか英語の試験に出るかもしれないから、覚えておいた方がいいよ)。
日本人や英語国の旅行者がこのゲストハウスを呼ぶ場合は、「キャピタル」と発音すると考えられる。

いや、両方とも、本当はアクセントが最初のaにあって、そのあとのほうはあいまいに発音するから、「キャプトゥル」みたいな発音なんだけどね。
日本ではcapitalを一般的に「キャピタル」と書くから、capitolも「キャピタル」でいいんじゃないかってことなんだけどね。

ただ、米国のワシントンにある国会議事堂、これはCapitol Hillなんだけど、G00GLEで検索してみると「キャピトルヒル」と「キャピタルヒル」どちらでも同じ程度の頻度で呼んでるみたいだ。
ヤフーの検索では、「キャピトルヒル」が多いようだから、日本では一応「キャピトルヒル」が常識なのかな。
しかし、「リーダーズ英和辞典」では、Capitol Hillに「キャピトルヒル」と、わざわざ呼び名をつけてある。
プノンペンの安宿の名前の呼び方を考えるのに、わざわざ合衆国議会の呼び方まで考えるのはヤリスギかもしれないけどね。

日本人旅行者の中には、この発音問題がわかっているのかわかっていないのか、「あそこは、キャピトールと発音しないとダメなんですよ」とウンチクを傾ける人もいる。
ただ、英語本来ではキャピタルでも、現地のカンボジア人が「キャピトル」と呼んでいることは、それはあるだろうね。

そこで、僕が1994年に旅した「東南アジア駆け足旅行記」では、わざと「キャピトル」と呼んでいたが、それはそういう深い事情があるためなので、ご理解ください。

世界旅行者はここで、Capitol Hotelの発音についての進化を考えてみる。

【第一段階】まず、何も考えてない、英語も知らない旅行者は、他の人が「キャピトル」と言ってるのを聞いて、「キャピトル」と呼ぶ。
【第二段階】次の段階は、ちょっと英語を知っている旅行者。彼はキャピトルという言葉を知らないので、キャピタル=capital(首都)ではないかと考える。そうすると他の旅行者がキャピトルと呼んでいても、あえて「キャピタル」と言うだろうね。
【第三段階】さらによくわかっていると、capitalとは違うcapitolという単語の存在を知っているので、当然「キャピトル」だと考えるかもしれない。
【第四段階】しかし世界旅行者みたいに、ケンブリッジ英検特級まで持っていると、capitalとcapitolの発音が一緒だということまでわかっている。すると、キャピトルと呼ぶことに恥ずかしさを感じる。そこで、キャピタルと呼ぶと、capitolという単語を知らないと思われても困るし…、とこんな文章を書いてしまうんだよね(笑)。
ま、このウンチクを知っていると、キャピタルホテルのレストランで、英語大好きな日本女性の心をゲットできるかもしれません(ま、ムリだと思うけど、あくまでも可能性はあるからね)。
現在では僕は、このゲストハウスを、キャピタルホテルと呼んでいます。
これは逆に、「世界旅行者はCapitalもCapitolも同じ発音だって知らないんじゃないの?」などと考えらえても困るからなんだよ。
いやー、世界旅行者ともなると、いろいろと気を使うよね。

「東南アジア駆け足旅行記」より「キャピトルホテル」にはいるところ(1994年)
http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/kakeashi/kake14.htm
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でもとにかく、旅行者がみんな行くという「キャピトルホテル」を見てみなければね。
多くの人が行くところにはそれなりの理由があるわけで、変に拒否するのもおかしな話だ。

実は僕が世界中の日本人宿に詳しい理由は、僕のこの考え方にある。
評判の宿には一応顔を出すのだ。

あんまり詳しいので、「西本さんも日本人宿に泊まって旅行したんじゃないですか?」と聞く人もいる。
説明しておくと、僕はある場所に旅行したら、自分の宿を見つけた後で、必ず日本人宿に顔を出すことにしている。
その理由は、旅行情報を得ること、日本語の本を交換すること、というのは名目で、実はどんな日本人が旅行してどんな大げさなことを吹いているかを楽しむためだ。

ちょっと付き合うだけならば、嘘つきや大げさな話をするタイプほどおもしろい連中はいない。
パターンが決まっているので、すぐに嘘を暴ける。
この経験で、日本人旅行者のレベルの低さを隅から隅まで知ってしまっているので、ちょっと話しただけで、ここが怪しい!とわかってしまうんだ。


タクシーは20分程走っただろうか、急ににぎやかな通りへ出た。
自転車とバイクでいっぱいだ。
しかも、交差点に信号機がない。
その中をタクシーは疾走し、町の中心部らしい雰囲気の場所へ入っていった。

通りには結構きれいなホテルも見えるし、旅行代理店も、レストランもある。
これなら、ここで降りても何とかなる、とほっとするが、タクシーは中心部を過ぎて、更にどんどん進む。
変に中心から遠いと困るな、と心の中で舌打ちをして、「キャピトルホテル!」と確認する。
運転手は「OK、OK」と言う。

車は大通りから右に曲がって、未舗装の裏道へと突入した。
大通りは一応舗装してあったが、裏通りのここは水溜まりとでこぼこの土が盛り上がっていて、車はゆ〜っくり、ゆ〜っくりと進む。
道の両側は普通の民家らしく、子供たちが飛び跳ねている。
さらにちょっと走って更に右におれ、タクシーが停車する。

しかし、これはただの薄汚い裏通りじゃないか。
僕は「キャピトルホテル」というからには、ホテルらしい建物を想像していた。
何にもそれらしいものはない。
間違えたのかもしれない、それとも、だまされたのか。
ひょっとして「キャピトルホテル」の客を、騙して横取りする別のホテルがあるのかもしれない。

僕はいろんなとんでもない経験をしているので、降りようとする2人を押し止めた。
「僕が確かめる」と言う。
2人をタクシーに残したまま、運転手に教えられた狭い階段を上る。
階段の突き当たりに、小部屋があり、受付らしいテーブルに中国人が座っていた。

「これがキャピトルホテルか?」と聞く。
「そうだ」との答。
「僕の友達が泊まってるはずなんだけれど」
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【写真】キャピタルホテルのサイトからパクって来た画像
【旅行哲学】ちょっとしたところで英語の発音でウンチクが傾けられるって、世界旅行者さんはホントにすごいね(笑)。