キャピタルホテルのレストランで@プノンペン/カンボジア

ベトナムのホーチミンシティ、シンカフェ前に、8時45分出発予定のバスが来たのが8時54分。
モクバイボーダーを越えて、いろいろあったが(これは別に書きます)結局、午後8時半にプノンペンのキャピタルホテルへと到着する。

出入国の手続き、国境でのバスの待ち時間、途中の休息時間、そういうのを全部ひっくるめて、ベトナムのホーチミンシティからカンボジアのプノンペンまで、僕の場合、2002年の8月では約12時間かかったことになる。

やっとたどり着いたキャピタルホテルはとても繁盛していた。
1994年に来た時は、キャピタルホテルは2つあった記憶があるが、現在はもっと多くなっているようだ。

でもとにかく、バスが横付けしたのだから、昔宿泊したことのあるキャピタルホテル本館をチェックする。
8月のど真ん中の、日本人の観光シーズンのど真ん中なのに部屋は空いていて、1号館の2階の103号室があった。

といっても、キャピタルホテルは、純粋に旅の通過点なので、ここに長居する人はいないと思うけどさ。

103号室を見ると、確かに広くて安くて(4ドル)いいのだが、この部屋はトイレつきで、そのトイレの臭いが部屋にこもっている。
これはまずいよね。

次に、新しいのがウリのキャピタルホテル3号館へ行く。
ここは建てたばかりなのか、部屋はなかなかきれいだ。

もらった部屋が5階の501号室。
これは、バックパックを背負って上るだけで疲れてしまった。
でも、もう夜なので、ここに決めてしまう。
あとは明日、改めて考えればいいだけだしね。

一応、部屋にはファンが付いていて、水シャワーがあり、トイレもあって、清潔なシングルルームで、それで4ドル。
これはそんなにぼったくられているわけではないし、一晩寝るだけならば、悪くはないさ。

それよりも何よりも、とっとと部屋を出て、キャピタルホテルのレストランへと向かう。

「キャピタルホテルのレストラン」こここそ、全世界のバックパッカーが集合するお祭り広場なんだからね。
どんな旅行者がいるのか、どんなハッタリをかましているやつがいるのか、期待に胸が高まる。
まあ、もともと旅行者とはハッタリをかますものなので、これは同じことなんだけどね。
僕の知っている限り、ハッタリかましてない旅行者はこの世の中にひとりしか存在しない。
それは、この僕なんだよ(笑)。

ここで告白するが、海外個人旅行で一番楽しいこと、それは「海外個人旅行者の見栄張り勝負に勝利すること」だ。
そして、この世の中にハッタリをかましていないのが世界旅行者1人である以上、僕に勝てる個人旅行者は存在しない。

インターネットの掲示版では、世界旅行者先生様にこそこそと中途半端な悪口を書く素人旅行者諸君も存在が許されているが、海外で、僕の目の前で、僕に面と向かって、僕に勝てるはずがないからね。
つまり、世界旅行者にとって、プノンペンのキャピタルホテルのレストランは、他の中途半端な旅行者の屠殺場なのだよ。

変なことを言うやつがいたら、完全に叩き潰してやるぞ!
と、ルンルン気分(笑)で、レストランへと向かう世界旅行者であった。

レストランに入ると、バスで一緒だったTくん、Kくんを発見した。
一緒にレストランのテーブルについて、ビールを飲みだす。

そして互いの旅行経験、旅行情報を交換する。
こういうときのビールほどおいしいものはないね。
これこそが、海外個人旅行者の本当の楽しみなんだからね。

そこで知ったのだが、Kくんは、ホーチミンシティでココナツ売りの美少女(17歳)に声をかけて、ナンパした。
ところが待ち合わせ場所に姉が着いてきて、3人で一緒に食事をする。

2人の実家に誘われて、翌日、バイクに3人乗りでメコンデルタへと行った。
メコンデルタ観光のボートに乗ると、ボートに乗ると3人で90ドルを取られた。
食事も雷魚がとてもおいしかったそうだ。
そのあと家へ行くと、家中で大歓待で、大きなスイカをご馳走されて、ビールをどんどん飲まされた。
その夜に、実家の部屋で、17歳の美少女とセックスした。

この家では、娘がみんなかわいいので、外国人との結婚を推進しているようで、11月には姉がスイス人と結婚する。
その結婚式にも招待された。
だから、Kくんはアンコールワットを見たあと、またホーチミンシティへ戻る予定だ。

これはなかなかディープな話だったね。
ま、旅先の話はもともと信じられないんだけれどさ、面白ければ、ウソでもホントでもいいじゃないか。

もう1人のTくんは、これはなにしろ、持ち物が日本のスーパーマーケットのビニール袋一つだというのだから、本格的だ。
彼の旅のやり方に、感心したり、突っ込んだりして、さらに盛り上がる。

このようにビールをガンガン飲んで大声で話をしていたら、そこへ国境からのバスで一緒だったひとり旅の女性、かなりの長身のA子さんがやってきたので、呼び止めて、テーブルは4人になる。。
ちょっとエキゾチックな顔をしていたが、A子さんはロシア人とのクオーターだそうだ。

ちょうどそのとき盛り上がっていた話が、「オーストラリアのワーホリは女がセックスする以外は役に立たない!」という、非常に哲学的なことだった。
そこで、その話をA子さんに振ったら、ちょっと機嫌が悪くなる。
それはそうだろう、彼女はオーストラリアにワーホリの経験があったんだよ。

普通の女性とならば、わざわざ議論をしても意味がない。
旅先で本気で議論をするなんて、面白くもなんともない。
普通ならば、僕も適当に話をあわせて、「いやホントは、ワーホリは役に立ちますよ」なんて、コロッと意見を変えるのが世界旅行者。
ただ、A子さんは自分の意見を持っている、なかなか知的な女性だった。

とすると、ここで非常に知的な議論ができるかもしれないと身構える。
彼女も、なかなかの自信家のようで、僕を議論で負かしてやろうと考えているのが、僕にはわかる。

そうなると、非常に知的な議論ができるかもしれない。
そして、彼女の知性を、僕の論理でボコボコに叩き潰して、今夜はセックスに持ち込んでやろうか♪と、身体が議論の準備をする。
A子さんはまだ僕の本当のすごさを知らないので、「このへらへらした腐れ中年男、ギャフンといわせてやる!」と、目が語っていた。

さて、ここで、キャピタルホテルでも10年に一度の伝説にもなりそうな議論が盛り上がろうかとしていたそのとき、変な中年男が割り込んできた。

それも、「みどくつさんですね!」というのだよ。
なんだなんだ、こいつは。

と考えたところで、次へ続く。

【写真】キャピタルホテルのレストラン
【旅行哲学】安いレストランでビールを飲みながら、いい加減な話をして、わいわい盛り上がること、それが海外個人旅行の真髄。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20050504