重慶マンション(チョンキンマンション、chungking mansions)1990@香港

1990年の4月、ソンクランで水の掛け合いをやっているバンコクから香港へと飛んで、啓徳(カイタック)空港に着陸。
航空機が離着陸の時、ビルにぶつかりそうなくらいスレスレに飛ぶこの空港は香港名物だった。

1997年にイギリスから中国に返還されて、英国人が去り、東洋と西洋の入り混じった香港らしい魅力がなくなってしまった。
現在の香港は中国のほかの町よりも、物価が高いだけが特徴だろうか。

そして、香港の空港も新しくなってしまった。
この啓徳空港くらい残しておけば、観光名物になったことだろうけどね。

僕が到着した時の香港は曇りで、気温が23℃。
しかし、湿度が高くて、空気がベタベタしてきもちわるい。

まあそれはそれとして、僕は「Lonely Planet」を手にしていたので、香港の安宿として名物の「重慶マンション(チョンキンマンション、chungking mansions)」へ行って見ることにした。

タイのドンムアン空港で残っていたタイバーツを全部香港ドルにしていた(453バーツ=130香港ドル)ので、啓徳空港では両替しない。
この時期、1米ドル=150円=7香港ドルで、1香港ドルは20円と考えられる。

啓徳空港から空港バスA1で、重慶マンションへ向かった。
空港バスの料金は8(香港)ドルだったが、10ドル札を出すと「お釣りはない!」と2ドルぼったくられる(涙)。

バスがチョンキンマンションに到着する前のバス停で中国人が乗り込んでくる。
そして「チョンキンマンションへ行く人いますかー?」と呼びかける。

僕が合図をすると、「チョンキンマンションへ案内します」と、一緒に降りた。
つまり彼は、チョンキンマンションにたくさんあるゲストハウスの客引きだったんだよ。

でもまあ何もわからないのだから、客引きに連れられていくのは悪いことではない。
彼のゲストハウスは14階にあった。

部屋を見せてもらうと、テレビ付きトイレシャワーつきのダブルで240ドル。
240ドルといえば、5千円近いよ!
バンコクではジュライホテルのずっと広い部屋に120バーツ(1バーツ=5円として、600円)で泊まっていたのだから、これは泊まれない。

チョンキンマンションには、他にも小さなゲストハウスがうじゃうじゃあるのを知っている。
このボッタクリゲストハウスは断って、自分であちこち歩いて、部屋を見せてもらう。
この日は適当なところで手を打って、「NEW ASIA GUESTHOUSE」に決めた。

1泊115ドル、連泊すれば110ドル/泊。
これは本当に小さくて、部屋はベッド一つ入れられるだけの大きさ。
シャワーとトイレが一緒だが、小さなシャワールームにトイレを無理矢理に入れた感じだから、シャワーを浴びるときはトイレットペーパーが濡れてしまう。

翌日さらにチョンキンマンションのゲストハウスを見てまわった。
5階の「チョンキンハウス」はシティホテル並みの部屋で1泊230ドル。
この値段はナットクしたが、泊まるには高すぎる。

7階の「ウェルカムゲストハウス」は、とても親切で感じがよかった(85ドル)が、部屋がよくなかった。
6階の「ロンドンゲストハウス」がシングル90ドルでまあまあだったので、ここの27号室に決定。
ビジネスライクで無愛想なところが、信頼できそうで気持ちよかったんだ。

このあと、香港から鉄道で広州へ行き、船でまた香港へと戻ってきたが、その時はロンドンゲストハウスが満室で、ウェルカムゲストハウスに泊まったっけ。

チョンキンマンションには旅行会社も入っていて、中国のビザを取ったり、切符を買ったりと便利だ。
また一階にはレートがいいという噂の両替商もあるよ。
ただ、入り口にはいつも人がたむろしていて、それも黒人やアラブ人などがおおくて、ちょっと変な感じがする。

チョンキンマンションはある意味、香港名物なので、一度は泊まっておくと話のネタにはなったものだ。
でも、階段が入り組んでいて、エレベーターの数が少なくて待ち時間も長い。
火事が出たら、ほとんどは焼死するだろうと誰でも予想できるところなので、わざわざ泊まる必要はないと思うよ。
注:しかし、2006年の秋に行ったら、重慶大厦はすごく清潔に、健全になっていました。香港に行くなら重慶大厦でいいでしょう。
「チョンキンロッジ」に泊まる@重慶大厦/香港
「Park Guest House」@重慶大厦/尖沙咀/香港
【写真】重慶マンションの入り口
【旅行哲学】香港の物価は高いし、気候も悪い、いまどきわざわざ行くことはない。
世界旅行者みどりのくつしたと彼の旅行哲学/重慶マンション1990@香港