春諠賓館(旧大和ホテル)@長春(新京)/吉林省/中国

ハルビンからT−184次の硬座で38元(約530円)、出発が8時19分で長春到着が10時51分の予定。
実は中国の旅で伝説の「硬座(二等座席)」に乗るのはこれが初めてだ。
いままでは長距離列車だけだったので、硬臥(ニ等寝台)か軟臥(一等寝台)に乗っていた。
大連からハルビンへも軟臥で快適に旅をしてきたんだ。
ハルビンから長春という短時間でも、悪い噂だらけの硬座はできるだけ避けたかった。
切符売り場で軟座(一等座席)を買おうとしたのだが、ないと断られて硬座を買ってしまった。
硬座では席の奪い合いがあるとの話を聞いていたので、手許には座席指定された切符があるのに、ゲートが開くとすぐに自分の車両、自分の席へとダッシュする。
するとそこにはすでに、人が一杯だったよ(?!)。
僕はほとんどトップで車両へ着いたはずなのに、しかも始発列車なのに、こんなに人がいるなんて不思議だ。
でもとにかく、自分の座席番号を見つけて、席を空けてもらう。
硬座の座席は、日本の新幹線普通車両みたいに、横一列が2席、3席の5席になっている。
それが昔の日本の列車みたいに向かい合わせだ。
その向かい合わせの座席の中央には、テーブルがある。
自分の座席を確保して本を読んでいると、新しい客が次々にやってきて、僕の周囲に座っていた乗客は次々と立ち上がっていった。
つまり、僕が来た時に座っていた人はみんな指定券なしだったんだよ。
ひょっとしたら乗車券もないんじゃないのかな???
第一、待合室からプラットホームへのゲートが開く前に車両に入ってること自体がおかしいんだから。
新しい乗客が来るたびに立ち上がるのだから、通路に立ったままの人がずいぶんいる。
あつかましいおばさんは、座席の前のテーブルにお尻を載せて座る。
僕の目の前のテーブルにはおばさんのお尻がでんと鎮座している。
ま、確かにこんな状況(これ以上の混雑)で、何日も旅をするのはつらいだろうと、想像できたね。
夜になれば、通路や網棚に寝る人も出てくるだろうしさ。
しかし、この日の僕の旅は昼間で、3時間もかからないので、どんなに混んでいようと、たいしたことはない。
トイレに行くこともないしね。
11時前の予定が、実際は11時07分に長春駅到着。
これで世界旅行者の体験リストに「中国の硬座に乗った」という新しいネタが追加されたってワケだね♪
長春駅に列車が到着すると、硬座に乗っていた人たちはほとんど降りてしまった。
で、ホームに停まった長い列車を見て歩くと、軟座車両は確かに存在しないが、軟臥、硬臥の車両はある。
これはもともと28時間かけて走る長距離列車なので、それで軟座がないのだろうと、旅行哲学した。
長春駅前は学校の新学期が始まる時期なのか、学校の名前を看板に書いた人たちがたくさんいて、若者に声をかけていた。
その群集を抜けて、駅を背にして左前方に春諠賓館を発見する。
ここのフロントも龍門大廈と一緒で女性だけだが、英語がなんとなく通じる。
シングルが260元、デポジットが300元。
僕の部屋は4楼(4階)の5413号室。
部屋のキーはマグネットが付いたカードキーだが、僕の長い旅行経験でもはじめて見た変な形だ。
クーラーは部屋ごとに取り付けてある、普通の家庭用と同じ形。
シャワールームのお湯の出が悪く、すべての金具の取り付けがいい加減でぐらぐらしている。
かなり適当な工事をやっているのがわかった。
さて、長春は昔の満州国の首都「新京」だ。
そこで観光客が見るものは「偽満州国」の建物群みたいなんだよ。
その中でもメインはもちろん、「長春偽満皇宮博物院」つまり、満州国皇帝溥儀が滞在していたところだね。
このホテル前に止まっているタクシーに乗ればすぐに連れて行ってくれるだろう。
でも、世界旅行者はそんな安易な旅はしないよ。
言葉ができなくても、「Lonely Planet」の地図があれば、何とかなるさ。
と、ホテルを飛び出して、10番のバスに乗る。
で、なんとなく、降ろされて、近所の人に聞いて、とやっていたら、全くワケがわからなくなったよ(涙)。
ま、そんな話ね。
【写真】春諠賓館(旧大和ホテル)
【旅行哲学】世の中にはいろんなわからないことがあるけど、無理に知ることもないよ。
長春駅遠景 http://worldtraveller.hp.infoseek.co.jp/asia/choshuneki.htm
