マレーシアからタイへ国境を越える@ハジャイ(Hat Yai)/タイ
これは1990年、僕が最初の世界一周旅行の途中で、オーストラリアからインドネシアへ入り、シンガポールからバスを乗り継いで、ペナン島へ到着してからの話。

(シンガポールからペナン島へ http://worldtraveller.hp.infoseek.co.jp/asia/penang.htm
マレーシア、ペナン島の安宿「Ping Seng」のなかなかいい部屋に11.50M$(マレーシアドル)で泊まる。
この時期、1M$=50円と考えるので、600円程度。

宿でペナン島から国境を越えて、タイのハジャイ(Hat Yai)へ、ミニバスで20M$(1000円)。
部屋でじっくり考えていると、タイのサムイ島(Ko Samui)が気になる。

サムイ島へはタイのスラターニー(Surat Thani)から船で行ける。
とするならば、ハジャイでまた交通手段を探すよりも、ペナン島から一気にスラターニーへ異動した方がいいかもしれない。

そこで、ホテルでペナン島からスラターニーまでの切符(35M$)を買う。
他の旅行代理店では32M$のところもあったけどね。

翌朝午前4時にホテルのスタッフに起こされて、4時45分にバスが出発。
ミニバスは白人旅行者が8人と僕でぎっしりだ。

タイへの国境越えの手続きはバスの運転手がすべて代行する。
乗客はただパスポートを渡すだけで、税関もノーチェック。

ハジャイの町のホテルに到着するのが、僕の腕時計(ホイヤーのダイバーズウォッチ)で午前9時だから、ペナン島からハジャイまで4時間かかったわけだ。
マレーシアとタイの間には時差が1時間あるので、タイの時間ではまだ8時だが…。

ハジャイで一旦バスを降りて、また行き先別にバスに乗り換えて移動する予定だった。
が、このときまでに、小さいバスにぎっしりと詰め込まれて、言われるままに動くことに疲れてしまっていた。

1人で動けないものかと、ハジャイの鉄道駅へ行って、バンコクへの列車を聞いてみる。
すると当日午後3時ごろにハジャイ駅を出て、翌朝バンコクへ到着する寝台車が簡単に見つかった。

列車の予約をして、出発までハジャイの町で時間を潰す。
結局、ハジャイからスラターニーまでの切符は捨ててしまった。

最初からハジャイへの切符(20M$)にして置けばよかったんだよ。
旅では、その時々で気分がコロッと変わるものだから、あまり先々のことまで計画しない方がいいってことが、ここでもわかるよね。

時間潰しに町を見て歩いたが、ハジャイはかなり怪しい歓楽街だとわかった。
派手なキャバレー、クラブなんかもたくさんある。
朝だからもちろん開いてはいなかったが、なんか新宿歌舞伎町の印象があったね。

国境の町というのはどこもこういうものなんだよ。
ハジャイもマレーシアからの密輸もあるだろうし、また回教国マレーシアから酒と女を求めて人が集まるんじゃないかな。

香港映画を見て、レストランで食事をして、なんとか時間を潰し、午後3時ごろ列車に乗る。
2等寝台だったが、枕元には読書ライトがあり、シーツがついてて、ベッドにはカーテンがかかる。
上段のベッドだったので結構揺れたが、なかなか快適な列車だった。

可愛い女性ウェイトレスがテキパキと食事の注文を取りに来るので、頼んでしまった。
そのまま列車は走り続けて、バンコクのホアランポーン鉄道駅に1時間ちょっと遅れて午前8時に到着。
ハジャイからバンコクまで、17時間かかったわけだね。

そこから、そのころ噂の「ジュライホテル」へと歩いて行きました。

【写真】ハジャイ駅構内
【旅行哲学】小さなバスに詰め込まれて、他人の言うとおりに動いて国境越えをしても、ちっとも面白くないね。

注)タイ国鉄Southern Line時刻表 http://www.railway.co.th/timetable/N_S.html