紅山賓館@ウルムチ/新疆ウィグル自治区/中国
トルファンのバスターミナルから、見事に完全舗装された道路を4時間半飛ばすと、ウルムチのごみごみしたバスターミナルへ到着する。
バスターミナルの場所がウルムチ市内のどこなのかわからず、残念ながら、タクシーに乗ってホテルへ直行する。
というのは、世界旅行者はウルムチ程度の町ならば、もともとは歩いて移動するつもりだったからね。

新疆(しんきょう)ウィグル自治区の区都ウルムチでは、「Lonely Planet」に紹介してあった紅山賓館(ホンシャンビングァン)へ宿泊。
ちょっと気の利いたバックパッカーはこのホテルへ泊まるのが定番のようで、実は、この旅行で以前に出会っていた人と、このホテルで再会した。
注)紅山賓館は、このあと取り壊されてしまったと報告がありました。便利な場所にある、適当に安いホテルだったのにねー。
ウルムチからは「天池ツアー」が名物なのだが、僕の「これが正しい海外個人旅行」にも書いてあるように、シルクロードの砂漠の町ウルムチへやってきて天池ツアーに参加しても意味がない。

「これが正しい海外個人旅行」http://worldtraveller.hp.infoseek.co.jp/books/treasure2.htm
(207ページ「広く浅く旅するのが正しい」から)

例えば、中国はシルクロードの奥地にウルムチという町がある。
ここの近くに「天池」という観光地があって、中国人には人気らしく、観光バスがたくさん出ている。
日本のガイドブックにも紹介してあって、日本人旅行者でも行く人が多い。
この天池というところは、砂漠の町ウルムチとは大違いで、森に囲まれた湖があり、まるで北欧のような素晴らしい景色だという。
しかし日本人でこんな所へ行くのは無駄だ。
だって、普通の日本人は、せいぜい「シルクロード」という名前くらいしか知らないのだ。
たいていはシルクロードがどこを通っているのかさえ知りはしない。
まあ、シルクロードの町ウルムチまでは、話をしても何とか許してもらえるし、興味も持ってもらえるかもしれない(それも話の持って行き方次第だけれどね)。
しかし「シルクロードの奥地で北欧みたいな湖に行った話」を誰がまじめに聞いてくれるだろう?
北欧なら北欧に行けばいいのだから。
つまりこの部分は、旅の話として使えない。
使えない話は、旅行者にとって無に等しい。
海外旅行の初心者の人たちが大きな間違いをするのがここだ。
誰も知らない所の話をすると、嫌がられる。
これが旅行の基本法則。

とすると、ウルムチ自体には、別にわざわざ見るようなところはないわけだよ。
注)ウルムチの名所として「アジアの中心モニュメント」ができてるそうです。→http://www.china.co.jp/news/040109-2.html
数年の科学調査によると、ユーラシア大陸の「心臓」はウルムチ市西南部の天山北麓、ウルムチから30キロの永豊卿とのことでした。
  地理座標は東経87°19’52”、北緯43°40’37”、標高1280メートルのところを指します。

  この調査結果は1992年7月の鑑定を通じて、地理学界に公認されました。1997年8月、アジア地理中心で標識塔の定礎式を行いました。ウルムチは新疆の政治、経済、文化、科学の中心の同時に、アジア大陸の中心に位置するということです。

  数年の建設の末、2003年10月にアジア地理中心が標識塔が竣工しました。標識塔は四本の方形柱からなり、四面から見ると“A”を呈しています。
  これは“アジア”の“Asia”の“A”の形で、アジアの中心の意味を表します。

  今回建設されたのはウルムチからアジア地理中心への等級道路、20メートル高さの雄鷹の翼をひろげる結構の大門、「天円地方」アジア中心広場、アジア49国文化結晶の石彫刻、木製、ガラス、鋼材製トーテムなどで、万国風情が濃縮されています。

つまり、とっとと移動するのが賢い。
次の目的地は、カシュガルということになる。

その交通手段は、まず長距離寝台バス。
これは、バスターミナルでも見たが、かなり汚くて使いたくないね。

それに、僕はこの旅で、チベットのラサから青海省のゴルムドへの30時間を越える寝台バス旅行をしているので、いまさらこんなバスに乗っても意味がない。

それでは鉄道で行けばいいわけだが、残念ながら僕がウルムチにいた1999年の夏にはまだ、ウルムチからカシュガルへの鉄道は完成していなかったんだよ。
あーよかった(笑)♪

しかし、1999年12月、南彊鉄道がカシュガルまで延伸された。
ウルムチ〜カシュガル1589kmで1泊2日の約24時間。
ウルムチ発カシュガル便は、1日2便だとか。

ウルムチからカシュガルへの鉄道が新しくできたら、個人旅行者としては鉄道に乗らざるを得ないよ。
しかし僕のいた時にはまだ工事中だったので、カシュガルへ飛行機を使うのは当然だった。

新疆航空のオフィスへ行って、当日のカシュガル行き航空券を予約する。
コンピューターがダウンしていたが、電話をかけて、手書きで航空券を発券してくれた。
この値段が980元(1万4千円くらい)で、出発が午後8時。

午後8時といえば、かなり遅い時間だと思うだろうが、これは北京時間なので、ウルムチではまだまだ明るい。
新疆時間というローカルタイムが北京から2時間遅れなので、午後6時という感じになる。
とっととカシュガルへ、そしてクンジュラブ峠を越えて、パキスタンへ。
問題はここだよ。
クンジュラブ峠を通れるか、通れないのか、それは実は、いくら金があっても天命が下っていなければ無理なことだったんだよ。