一期一会@ファングーラオ通り近く/ホーチミンシティ/ベトナム
ニャチャンからのバスがムイネービーチでの休息でわざと時間を使って、わざとゆっくりと走り、ホーチミンシティ(サイゴン)の安宿街ファングーラオ通りに面した「サイゴンツーリスト」へ到着したのが夜の8時半だった。
この到着時間は、旅行代理店と安宿街が組んでわざと遅らせているのだと後々わかる。
が、純情な世界旅行者は、このときはただ「もっと速く走れば早い時間につけるのにー」と、純粋に困っていいただけだったよ。
小雨の中をバックパックを背負って、安宿街のホテルをチェックしてまわる。
しかし、ドミ(共同部屋)のベッドは見つかるがシングルルームが見つからない。
それも当然の話で、今日は8月13日(火曜日)、日本からお盆休暇を利用してベトナム旅行へ来ている会社員、OLさんも多い時期だからね。
最近は、普通の会社員も安宿街に泊まるようになったので、シングルルームは見つけるのが難しい。
しかも、夜の9時を回った時間だし、雨も降ってるし。
思い切って、サイゴンツーリスト横にある、けっこう見栄えのいい「LIBERTY3 HOTEL」のスイートルームを値切って、22ドルにして泊まることにする。
スイートといっても、大きな部屋にベッドが二つあって、四人がけの応接セットとライティングテーブルと、テレビ、バストイレが付いてるだけだけどね。
でも、普通の会社員やOLさんならば、やっと休暇をとって、飛行機代を何万円も使ってベトナムへ来て、一泊3ドルのドミに泊まる必然性はないわけだよ。
東南アジアでは20ドルちょっと出せば、快適なホテルに泊まれるものだ。
だから、世界旅行者の大きな慈悲の心で、紹介しておきます。
何も安宿街に来たからって、安ホテルのドミに泊まらなければならないわけではないんだからさ。
しかし、旅行情報を入手するためには、もちろん安宿の方がいい。
そして、フエの日本人宿「ビンジュアン」で仕入れた情報では、サイゴンには「一期一会」という日本人宿があるらしいんだ。
こういうところはチェックしておかなければいけない。
それに、興味深い日本人旅行者に出会うかもしれないんだからさ。
というわけで、世界旅行者は翌日、まずシンカフェでカンボジアビザを申し込んで(22ドル)、一期一会を捜しに歩き出す。
こういう安宿街では、何かを見つけるのはチョー簡単。
歩いている他の旅行者に聞けばいいだけだ。
捜しているのが一期一会だから、日本人旅行者に声をかけて聞いてみると、すぐにわかった。
一期一会は一階が食堂になっていて、上にドミがあるタイプの、平凡な安ホテルだった。
ベトナム人の女の子(ニさん)が一人いたので、挨拶してビール(サイゴンビール、7000ドン)を一本飲んでいると、少年(チオンくん)がやってきた。
日本語の勉強をしているので、ちょっと相手をしてあげる。
日本人宿にかはならず存在する「情報ノート」をチェックする。
たいした話はないので、世界旅行者が適当なことを書いてあげた。
ところで、この宿にももちろん日本語の本があるはずだで、それをチェックしようとしたら、なんと奥のほうで本をまとめて紐で縛ってある!
なぜそんなことをするんだろう??
と、思ったのが、この一期一会の悲劇を世界旅行者が知るきっかけだったのだ。
(一期一会の悲劇:前編)
【写真】一期一会のニさんと世界旅行者
【旅行哲学】いいホテルに泊まって、日本人宿で情報収集が「大人の海外個人旅行」
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20041108