ガンジャクッキー事件(その1)@ポカラ/ネパール

ネパールの首都カトマンドゥからスイスバスで7時間かけて、ポカラへ移動する。
バスの中はほとんどが欧米人旅行者だったが、日本人が4人、東北の公務員の男性と、登山好きの30歳前後の女性と、それから20歳くらいの大学生の女の子、それに僕が乗っていた。
途中のトイレ休息で、適当に世間話をして知り合いになる。
ポカラに着くと、みんな「じゃーねー♪」と、サッと別れて勝手に宿を取った。
公務員の男性はそのころ日本人宿として有名だった「スルジェ」に泊まると言っていた。
僕は歩いていて声をかけてくる客引きの宿を3軒くらい見て、ちょっと奥まった静かな宿に決める。
翌朝、僕は、ポカラのさわやかな空気の中を、ぷらぷらと、暇つぶしついでにスルジェへ訪ねていく。
有名なところはとにかく見てみるのが、僕のやり方だからね。
スルジェに行くと、ちょうど中庭のテーブルでハッシシを回し飲みしようとしているところだった。
僕はとにかく新しい経験にはチャレンジするので、それなら僕もハッシシを吸おうっと♪とテーブルの空いているところに勝手に座った。
すると、その主催者らしい、ネパールの民族衣装らしいものを着た貧相な男性が「金を払え」と言う。
その言い方が気にくわなかったのと、金を払うのがいやだったので、すぐにテーブルを離れる。
でもまあ、スルジェに集まっている連中は、ひ弱な、面白くなさそうな連中ばかりだったよ。
一緒にポカラに来た公務員君も、「あそこの連中はダメですねー(涙)」と気が合うので、2人でいろんな話をしながら、ポカラをうろつく。
ポカラを歩いていると、ガンジャ(マリファナ樹脂)がいらないかと、次々声がかかる。
公務員君は結構マリファナ経験がありそうなので、「それじゃあ、夕方でも僕の部屋でガンジャをキメる?」と話が決まる。
まあ、(今はどうかわからないが)そのころネパールやインドを旅行する人は、マリファナ程度をやるのは常識だったんだから気楽なものだ。
たらたら歩いていると、バスで一緒だった、女子大生さんとばったり会う。
ポカラの湖に行って、ボートでも漕ごうという話がすぐに決まる。
夕方になったら、一緒にマリファナでも吸わない?と話をする。
旅先だと、なんでも話が早いのがキモチイイね。
湖へ歩いている途中、道端に屋台が出ていた。
女の子と公務員君が先に歩いていくので、僕はその店で何を売っているのか、聞いてみる。
すると、売っているのはクッキー。
しかし、タダのクッキーではない。
ガンジャ入りのクッキー、ガンジャクッキーなんだ。
新もの好きな僕は、すぐにクッキーを買うことに決める。
クッキーを3個買って、2人に走って追いつき、1個ずつ渡す。
味は結構おいしかったよ。
公務員君は「これはガンジャクッキーですね」と言いながら、すぐに食べてしまう。
僕も食べてしまった。
女の子もきれいに食べてしまった。
ただ、ここにちょっとした問題があって、僕と公務員君はガンジャクッキーだと知ってて食べたのだが、女の子は知らないまま食べちゃったんだよ。
これが、そのあと、日本大使館を巻き込む大問題になるとは、神ならぬ身の知り及ぶことではなかった…。
(この話は、とんでもない発展をするが、旅ネタとしてとてもオイシイので、続きを書くかどうか、まだ考え中です。次の本には間違いなく書くつもりですが…)
【写真】ポカラから見る山
【旅行哲学】旅に出ると普段しないことを何でもやっちゃうが、あとあと大変なことになるかもしれないよ(涙)。
