遼寧賓館@瀋陽/遼寧省/中国
世界旅行者は、大連からハルビン、長春(旧新京)と旅を続け、長春からはT122次の列車で、瀋陽(奉天)駅に到着した。
このT122次というのは、最終的には広州まで行くらしい。
が、長春から乗った軟座の客はほとんど瀋陽で降りるようだった。
この列車でびっくりしたのが、とにかく清潔なこと。
車掌がやってきて、網棚の荷物を置き直し、床をほうきで掃除して、窓のカーテンを一つ一つ留めてまわる。
ゴミ袋を持って、座席前の小さなテーブルのゴミをいちいち集めてまわる。
日本でだってこんなに清潔にはしないだろうね…。
ま、軟座の客層も金持ちらしく、なかなか知的で上品だった。
僕の向かいに座った30歳代のビジネスマンからは、731部隊の残した毒ガス問題で議論を持ちかけられた。
それで、ノートに「日本人民謝罪対中国人民」などと、適当な漢字を書いたよ。
何でもかんでもすぐ謝罪する日本人を自覚したね。
中国では車内のケータイ電話が禁止されてないので、いろんな着メロが次々に響いて、あちこちで大声で話し声がする。
でも、中国語がわからないので、ちっとも気にならない(笑)。
瀋陽駅は昔の奉天駅のままの雰囲気で、なかなか趣がある。
そこから10分程度歩いて、中山広場へ。
中山広場のロータリーに面した、満州国時代の一流ホテル「大和ホテル」は、現在「遼寧賓館」と名前が変わったが、建物の外見は昔のままのようだ。
ホテルの部屋の内装はもちろん新しくなって、金具などは金メッキでピカピカしていた。
ただ、さすがに中国らしく、洗面所のタップの取り付けが不十分でカタカタと動いたりするのが、ちょっと興ざめだったね。
昔のままの、ホールへ下りる角の磨り減った階段などは、重々しく、さすがだと思った。
わざわざ階段を何度も昇り降りして、満州国時代にここを胸を張って歩いていたであろう、満州国のエリートたちのことを想ったりした。
【写真】遼寧賓館
【旅行哲学】すべての栄華、栄光は、いつか滅び、古い建物の隅に記憶が残るだけだ。
旧満州国のお話 http://worldtraveller.hp.infoseek.co.jp/manchuria/manchuria.htm