「海外で映画を見るのは、ただの時間潰しではない」(「これが正しい海外個人旅行」より)
これが正しい海外個人旅行 第三章キモチイイ旅のためのヒント集12番
ペルーのチチカカ湖畔の町プーノにある領事館でボリビアのビザを申請した。
5分でビザは出たが、待っているときに、新聞の広告を眺めていると、ボリビアの首都ラパスの映画館で大島渚監督の本番映画「愛のコリーダ」をやっているのを発見した。
急に「早く行かなければ、映画が終わってしまうよ!」と焦ったのを懐かしく思い出す(ちなみにちゃんと映画は見れましたよ)。
長く海外旅行をしていると、世界各地で見た映画も、一つ一ついい思い出になる。
だから、海外旅行をしていて半日や1日、中途半端にぽっかりと時間が空いて、博物館や美術館、名所旧跡を見てまわるのも飽きた時、僕は映画を見ることにしている。
ところで、海外旅行から帰ると、誰彼かまわず、自分の海外旅行の話をしたいのは当然だが、いつも旅の話をするのでは、とても格好わるい。
下手に旅の話を始めると「ちょっと海外に行ったくらいで、喜ぶんじゃないよ。このタコ!」と馬鹿にされてしまう。
つまり、海外旅行では、ただ旅をするだけではなくて、海外旅行の話をするきっかけをわざと作っておかないと、誰にも旅行自慢ができず、日本に戻ってきて苦しむことになる。
旅の本当の目的は、他人に旅の話をすることなんだからね。
僕はなにか話題になるようなことは、すべて海外旅行に関連付けて話せるように行動している。
例えば日本でバイアグラが話題になるころには、LAの病院に行って、とっくにバイアグラを処方してもらっている。
これでバイアグラの話が出たときに「この前LAの病院で、バイアグラを処方してもらったんですが、その時…」と海外旅行の話題を自然に出せるわけだ。
しかし一番簡単なのが、海外で映画を見ること。
なにか映画の話が出るとすぐに、外国の話ができる。
ジャッキーチェンの話が出れば「ジャッキーチェンとクリスタッカーの『ラッシュアワー』を、ベネズエラのカラカスで見たんですが…」と話せる。
ロビンウイリアムズの「ジュマンジュ」の話が出れば、「僕はナイロビで『ジュマンジュ』を見たので、外に出ても動物が突進してくるんじゃないかと心配でした」と話せる。
つまり、海外で映画を見るのは、ただ日本より安からだけじゃない。
海外旅行の話を自然と始められるようにするための奥深いテクニックなのだ。
これをよく理解してほしい。
海外でできるだけ話のネタになるような映画を見るように、アドバイスしておく。
僕は最近バンコクでトムクルーズ主演の「M:i2」を見たが、「ミッションインポッシブル2は、ひどい映画でしたね。でも、僕はバンコクで見たのでたった80バーツ、240円でしたから文句は言えませんが」と、さっそくバンコクネタに使っている。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20071030#p1