「ロッキー」に興味がなかった@フィラデルフィア/ペンシルバニア州
2007年5月1日、世界旅行者は「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」に行きました。
毎月一日は映画の日で、千円で映画が見られるからね。

この年のゴールデンウィークは映画の話題作がずらりと並んでいた。
「スパイダーマン3」「ロッキーザファイナル」「バベル」「ストリングス 愛と絆の旅路」「ハンニバルライジング」「ブラッドダイヤモンド」「不都合な真実」等々。
これだけ興味をそそる映画があるというのは、珍しい。

ところで、「バベル」は見たかったが、ロサンジェルスで見損なっている。
僕はこういうときに、「神様が見るなといっているのかも…」と考える。

ロサンジェルスでロサンジェルスタイムズの映画欄で確認して見に行った。
それなのに、上映してなかったというのは、どう考えても、神の力が働いているだろうね。

僕はこういうとき、流れに任せることにしている。
つまり、無理に「バベル」を見に行ったりしない。

ところで、「スパイダーマン3」だが、これも見に行かない。
というのは、スパイダーマンの印象が良くないからだ。

僕は今までスパイダーマンの映画を見たことがない。
しかし、ロサンジェルスのユニバーサルスタジオで「スパイダーマンショー」を見たことがあるんだよ。

このショーというものは、単にスパイダーマンの服装をした役者が出てきて、舞台の上を行ったりきたり、上ったり降りたりするという、非常にちゃちなものだった。
そのせいか、このショーはすぐに終わったようだ。

話題にもならず、そういうものが存在したことも忘れ去られているからね。
こういう情けないスパイダーマンを見た以上、映画を見る気にはならない。

「ストリングス 愛と絆の旅路」は、なかなか興味深そうな映画だが、もともとの映画に日本風に手が加えられているらしい。
すると、ひょっとして感動したところで、海外で上映されたものと違っているのだから、意味がないんじゃないかな。

「ハンニバルライジング」になると、やはり「羊たちの沈黙」「ハンニバル」などを見てレクター博士に興味を持ってないと、ちっとも面白くないだろう。

「ブラッドダイヤモンド」は、先日、貯まっていた映画館のポイントを使ってきっちり見ている。
これはなかなかのオススメです。

「不都合な真実」は、どこかの企業の協賛で500円で上映された時に見た。
これも、非常にナットクできる映像とストーリーだった。

すると見るものは「ロッキーザファイナル/Rocky Balboa(2006)」しかないだろう。

それに、僕も歳を取って肉体や精神力の衰えを感じている。
「歳を取ったロッキーが世界チャンピオンと(エキジビションではあるが)戦う」というストーリーは、元気のない、気力の衰えた中年向きだ。

というわけで、今日はロッキーを見に行きました。
そして、感想は、はっきりいって、つまらなかった。

ストーリーは誰でも予想のつく流れで、脇役も定型的で、全くオドロキがない。
ロッキーの発する言葉は、確かに元気が出そうなものだが、やはり表面的だ。

過去の映画のシーンが出てくるが、これは以前の映画を観て感動した人にとっては、効果的なのだろう。
そこで自分を振り返ってみた。

すると、僕はロッキーを映画館で見たこともなく、ロッキーを好きではなかったことに改めて気が付く。
テレビでロッキーを見たことはあるが、いままでも、ほとんど感動したことはなかった。

僕はほとんどロッキーに興味がなかったんだよ。
その証拠はないか、僕の記憶をたどってみる。

そうそう、ロッキーの舞台はフィラデルフィアだった。
ロッキーがトレーニングで駆け上がる階段は「フィラデルフィア美術館」の正面階段で、そこから振り返って、ロッキーが拳をあげるらしいんだ。

ところで僕は世界旅行者だから、もちろんフィラデルフィアにも行ったことがある。
それは1988年11月18日。

僕がロンドンからニューヨークへ飛んで、しばらく滞在したあと、そこからカナダ東部を一周してまたニューヨークへ戻った。
そして、ニューヨークからフィラデルフィアへ、わざわざ日帰りしたんだ。

その理由は、グレイハウンド乗り放題のアメリパスを持ってたせいなんだけどね。
ニューヨークのポートオーソリティバスターミナルから、午前11時のバスに乗り、午後1時20分にフィラデルフィアへ到着した。

その親切さで有名だったフィラデルフィア観光案内所へ行く。
そこで市内地図とガイドブックを無料で入手して、観光して回った。

回ったのが、シティホール、インディペンデンスホール、オールドシティヒル、そしてリバティベル(自由の鐘)。
シティホールの案内人の美女が「RANGER」だったのにびっくりして、ちょっとドキドキしたのを覚えている。

そして、午後4時のバスに乗って、午後7時にはニューヨークへ戻ってきている。
この夜は、小さな旅行をやり遂げたと、ポールマッソンのバーガンディを4ドル30セントで買って、飲んだんだ。

つまり、「ロッキーで有名なフィラデルフィア美術館の階段を登る」なんて、やらなかった。
全くそんなこと気にしてなかったんだ。

「ロッキー」が日本で封切られたのが、1977年4月だったようだ。
この時代は、僕は確か、まだ会社員をやっていたはずだ。

ちょうど中近東で、あるプロジェクトに参加していたときじゃないかな。
だから第一作を見ているはずがないわけだ。

メディアでロッキー、ロッキーとあおられて、テレビでロッキーを何度も見ていると、なんだか自分がロッキーに感動したような気分にさせられる。
でも僕は、ロッキーについては、昔からなんとも思ってなかったわけだ。

それを確認できたのは、よかったかもしれないね。
でも、ロッキーのシリーズは、映画としてはあんまり出来のいいものではない。

【旅行哲学】メディアに洗脳されると、まるで自分がロッキーファンだったような気分にさせられる。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20070501