テレビ東京で「旅情 Summertime(1955)」を見た
テレビ東京の「午後のロードショー」で、なんと今日、「旅情」をやっていた。
キャサリン・ヘプバーン主演、1955年作品。
アメリカで秘書をしている、もう若くはない女性が、長年の夢だったベニスへ、1人で観光旅行に来る。
しかしベニスは、カップルだらけだし、またイタリア人は若い女を次々とナンパしている。
また、旅先のアバンチュールを積極的に楽しむ観光客もいる。
ジェーン(キャサリン・ヘプバーン)も、本当は、旅に奇蹟、つまりロマンス(セックス)を期待している。
骨董屋の主人のレナートと出会って、心を惹かれるがそれを自分では認めたくない。
レナートはイタリア人だから、ジェーンが求めているもの(セックス)を知っている。
レナートがジェーンを口説くのに、
「僕は結婚していて若くもない。キミはステーキがほしいだろうが、スパゲッティで我慢しろ!」
みたいなことを言ったりするのが興味深いね。
古い映画でベニスの水がまだきれいだった時代を撮影している。
ジェーンが水路に落ちて泳ぐシーンもある。
今だったらとてもとても、水が汚くて臭くって、そんな撮影はできないだろうね。
1955年で、まだイタリアは第二次世界大戦から立ち直っていない。
浮浪児みたいな物売りの少年が出てきて、アメリカタバコをもらって喜ぶシーンが、その社会をよく描いている。
2人の関係が始まって、セックスもする(このシーンで花火が何発も夜空に上がるのがセックスの回数を示していることに注意してほしい)が、ジェーンは突然別れを言う。
最後は、ベニス駅のホームの別れのシーン。
ジェーンはそれまでパーティでも最後まで、グズグズと残っている決断できない女の子だった。
しかし、ベニスでの出会いによって、彼女は大人になった。
最後にジェーンが自分から別れるのは、自立した1人の女となったからだ。
この映画を見ても、欧米では海外旅行とセックスの問題を真正面から考えていることがわかるね。
だから、海外での出会い(セックス)を自分から捨てて一人旅立つ、格好いい女性が描けるわけだ。
日本では、「旅先で知り合っただけの人とセックスするのはいけない」というタテマエをいつになっても捨てることができない。
日本女性は、旅でも日常でも、「愛しているからセックスする」というタテマエに縛られている。
だから逆に、海外の男性に身体も金も貢いで、騙されてもくっついている見苦しい日本女性が出現してしまうわけだね(涙)。
ところで、この時代の映画は、セリフ一つ一つがきちんとしていて意味があり、また英語としてもきれいだ。
英語の勉強するには最適です。
それにセリフを丸暗記していると、なにかの時に使えたりするからね。
旅情の英語タイトルは、米国では「Summertime」英国では「Summer Madness」、そして有名な映画音楽は「Summertime in Venice」です。
関連サイト1 関連サイト2
その他に見ていると語れる映画として、世界旅行者がオススメする映画。
慕情 Love Is A Many Splendored thing(1955) カサブランカ Casablanca(1942)
Love Is A Many Splendored thing 関連サイト3
As Times goes by(時の過ぎ行くままに)
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20060201